猫本屋はじめました:大久保京著のレビューです。
「書肆 吾輩堂」ができるまで
─────猫が、本がもっと好きになる、
隅から隅まで猫でいっぱいの1冊。 ─────
ということで、もふもふ感いっぱいの本かと安易に借りましたが・・・。
もふもふはするのですが、著者の大久保さんが
ネット書店を開業するまでのあれこれの記録本でもあり、
なかなかメリハリがきいている1冊であった。
大久保さんもまた本好き、猫好きのひとりで、
「猫本だけを集めた本屋があればいいのに」という気持ちから、
なんと2013年2月22日の猫の日に「書肆 吾輩堂」を
オープンさせたのだ。
ネット書店といえども、かなり綿密に計画を立てて実行されているなぁと思う部分と、古書組合の「市会」など飛び込んでゆく勇気や、
海外への仕入れの旅など、たった1年ちょっとで、ものすごい変化を
見せてゆく。妄想が現実化してゆく過程がダイレクトに
伝わって来る。
大久保さんの行動力がより早く軌道に乗せたのは
言うまでもないのだけれど、なにより周りの人たちの意見や助言を
素直に受け入れて、実行されているのが印象的だ。
古書組合という男ばかりの環境で、すんなり早い段階で溶け込めたの
もそんな大久保さんの素直な一面が大きな助けになったように
感じます。
もうひとつのお楽しみ、猫本の紹介
さてさて、この本、ビジネス的な面も非常に興味深かった
わけですが、さらに危険な本であることが徐々に判明して来る。
「吾輩堂が案内する猫本ワールド」といって、大久保さんが
たくさんの猫本を紹介してくれています。
んもうっ!結局メモ取っている自分がなんともなんですが・・・・。
とにかく「猫本」に目がない方は、心して読んでくださいませ。
で、さらに恐ろしいのは巻末のList。
・小説、随筆、詩<国内・海外>
・アート、写真集
・ネコロジー、ノンフィクション<国内・海外>
・絵本・児童書・挿絵が美しい本<国内・海外>
・その他
吾輩堂がお薦めする明治以降に出版された「猫本」の数々・・・・
は、もう恐怖でしか・・。
かなりの量ですが、それでも絞ったというから、
もうもふもふが止まらないです。
作家や美術家に猫好きが多い・・・というのは、
うすうす感じていたけど、それが確信に変わったのもこの本です。
ここまでくるともう猫の毛が喉にからんでイガラッぽいという
幻覚症状に似たものまで感じてしまう。
さぁ、どこまで「猫本」が追えるか!
猫好きの方たちが試される本でもあります。
(ちなみにList部分、私は読み飛ばしました!
収拾がつかなくなるという判断により・・・)