麹町 二婆、二娘、孫一人: 中沢けい著のレビューです。
麹町の古い家に住む5人の女性たちの日常
二婆、二娘、孫一人、そしてこの表紙。
登場人物が分かりやすい(笑)
それに、この女系感はなんなんだ!
・・・と読む前から、ホームドラマ的なものを期待してみました。
麹町の古い家に住む5人の女性たち。
主は「家つきお嬢さん」の富子さん。
その娘の美智子さんは、離婚して娘を連れてここに戻ってきている。
血がつながっているのはこの3人。
そして、富子さんの家に住み込みでずっと女中をしてきたのがきくさん。
紆余曲折あってこの女中きくさんは、娘の紀美を連れてこの家に
戻って来ている。
あぁ、それで「二婆」なのか~と、おもしろい同居人だなぁーと
展開を楽しみに読み始めました。
内容はごくごく日常を描いたものではあるけれど、
それぞれの思い出話や、今後のことなど、各世代別の
思いや考えがカラッと描かれているのが面白い。
また、麹町界隈の様子も、一緒に散歩しているような感覚で
情景が浮かび上がって来ます。
5人の共通点は全員亥年生まれ!
ということで、ホームドラマ感いっぱいです。
ただし、昭和のドラマです(笑)
お茶の間がいつも賑やかな感じのあれですな。
家族以外の人々と暮らすのは難しそう・・・
でも、家族プラス年の近い他人っていう組み合わせって、
案外楽しいかもな~と、思ったりもした。
家族だから聞けないこと、他人だから話せること。
ちょっとした悩みなんかを一緒に暮らす他人と
シェア出来るってちょっといいな~と思えた。
特に美智子さんと紀美ちゃんみたいな関係ね。
もちろん二婆の長い長い間築いて来た関係も楽しそう。
日々一緒に暮らしているわけだから、友達よりも
もっと近い位置で補え合える他人の存在が新鮮でありました。
さいごに、5人の共通点は全員亥年生まれ!
うふふ、ますます楽しそうっ!