本の妖精リブロン:末吉暁子著のレビューです。
本の妖精を救出しよう!
借りた本の間から、虫がぺっちゃんこになって
出てきた時は、死ぬほど驚き、しばらく放心状態だったが、
これが妖精だったら、どんなに楽しかっただろうか。
本書は図書館にいる本の妖精に会える夢のようなお話。
転校生アミは転校先の学校の図書館に初めて足を踏み入れた。
その本の多さに大喜びをしていた時に、
「助けて!ここから出して!」・・かすかに聞こえてくる声。
本をひらいてみると10センチにも満たない本のページのような羽と、
しおりのひものようなしっぽをつけた小さな男の子がいました。
本の妖精は本の埃を払ったり、折れたページを伸ばしたり、
本を探している子どもが面白い本に出合えるように仕向けたり・・・。
結構健気に働いています。
なのに、ここの生徒たちに全然本を読んでもらえないということで、
リブロンは本の中に閉じ込められてしまったのです。
なんでもここの生徒たちは本を読むよりほかのことで忙しく
せっかくの本もなかなか読まれることがない。
彼を助け出すためには、次の満月まで20冊の本を読むこと。
そうしないとリブロンは・・・・・。
アミはリブロンを助け出すことを約束します。
約束を果たせたら、ご褒美ももらえるそう。
ハラハラする場面もあるが・・・
ここからの展開が面白いのですが。
あえてその部分は書かないでおきます。
妖精からのご褒美が、読書好きにはたまらないお話なのですよ。
アンデルセン童話が好きな方もお薦めです!
本の妖精って、エレガントで中性っぽいのかな~って
漠然と想像していたのですが、言葉使いからも、「男」なんですね。
そのあたりの意外性も面白かったです。
シーンとした図書館。
せっせと折れたページを直している妖精。
いるよね、きっと。