営繕かるかや怪異譚:小野不由美著のレビューです。
感想・あらすじ
こういう怖い本を読むってことは、「こんなとこにも出る」という様々なパターンを知ってしまうことなのかも?
べつに知ったからと言って得なことなんかないし、余計にビビリ―な場面が増えるだけなんだけど、どーしても読んでしまう哀しい性。
今回も舞台は家のなかや周辺に現れる「身近な場所のなにか」がたくさん登場する。
逃げたくたって、そうそう簡単に引っ越せないんだから・・・という追い詰められ感がなんとも憎々しい。
閉ざされた座敷
天井裏の音
雨に日に鳴る鈴の音
井戸
ガレージ
お風呂
等々、あちこちに潜む「なにか」。
怖いから塞いでしまおう、マズそうだからお祓いしてもらおう・・・と、凡人なら考えてしまうのだが、なんと小野さん、営繕屋・尾端を登場させ家を修繕し、怪奇現象を解決する。
どの話も怖いものと戦うというよりも、最終的には住んでいる人も霊たちも自然な形で日常に戻してもらえるといった話で、途中までガチガチになっていた身体が徐々にほどけてゆく感じで読後感は悪くない。
それでもやっぱり、お風呂の蓋を開ける時の、ちょっとした緊張、やはりこの本が影響しているのだと思う。
怖い話の短編、私的にはこのくらいのページ数がベスト。
退屈することなくさっくり読めた。
文庫本
リンク
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