Web Analytics Made Easy - StatCounter

うずまきぐ~るぐる 

*** 新しい本との出合いがきっとある★書評ブログ ****

【感想・あらすじ・レビュー】ことば汁:小池昌代

 

 

 ことば汁:小池昌代著のレビューです。

ことば汁 (中公文庫)

ことば汁 (中公文庫)

  • 作者:小池昌代
  • 発売日: 2012/12/19
  • メディア: Kindle版
 

 

感想・あらすじ 着地点が最後まで見えない面白さ

 

この濃い感じのタイトルに思わず引っ張られました。小池昌代さん、初読みです。

大まかな感想はどの話も、どこへ向かっていくのか、着地点が最後まで見えない面白さがあります。読んでいるうちに、いつの間にかブスッと麻酔でも打たれたような、「あれれ、これは現実?それとも…」という気分。そして起きあがったら知らない町に放り出されているという…そんな気分になる小説が多い。

 

なにせ、一つの話を読み終えるころには、すっかりその話がどんな風に始まったのか思い出せぬほど不思議な展開といった印象。話の終わり方が独特なので、きっちり答えが欲しい人には向かないかもしれません。

 

登場人物の女性達はほぼ中年以降。老詩人に仕える女性。孤独なカーテン職人の女性。
年取った両親と花火を見に行く女性。友人の遺品整理をする女性等々…一見、どこにでもいる女性たちだが、その水面下に潜む、嫉妬・欲・官能などが、小説のいたるところに潜んでいます。

 

そして、話の中にちょこっと顔を出す動物たちが意味することにゾワゾワしたりと…。

 

 

 

 

癖になりそうな予感が広がる、私のなかで・・・

正直私の中で本書の意味を汲み取れたのか自信がありませんが、もう少しこの作家の作品に触れてみたいと思ったのは確かです。文体も読み易く、着地点が見えない感じがなんとも癖になりそう。しかーし、書評は書きにくい。

 

最後に、書名は「鍋の中の言葉のごった煮というイメージ」だそうです。うん、これも、解るような解らないような…。 それでも私はまた小池昌代さんの作品をかならず手にするだろう。

 

ことば汁 (中公文庫)