Web Analytics Made Easy - StatCounter

うずまきぐ~るぐる 

*** 新しい本との出合いがきっとある★書評ブログ ****

夢のなかの魚屋の地図:井上荒野

 

 

夢のなかの魚屋の地図 井上荒野氏のレビューです。

 

夢のなかの魚屋の地図

夢のなかの魚屋の地図

  • 作者:井上荒野
  • 発売日: 2013/12/21
  • メディア: 単行本
 

 

 

 荒野さんの日常エッセイからは発見がいっぱい!

 

井上荒野さんの小説は気づけば結構読んでいるなぁといった

具合ですが、お父様が小説家だったということぐらいで

ほとんど知らなかった。

今回エッセイということで、荒野さんの日常を覗いてみる

ことにした。
ツイッターでちょこちょこと猫ちゃんたちとの生活を拝見

していたのですが、それらの写真を思い出しながら

こちらを読んだので、すんなり話の中に自分が溶け込めたように

思える。

例えば以前、お母さまが大きな魚をさばいている写真を

見たことがあるのですが、お母様がいかに魚好きなのか・・

ということが本書を読んだことにより解り、写真と文面が

繋がった嬉しさがあった。

この本のタイトルが、そのお母様の話なのですが、
とても印象的な楽しいお話だった。

そのほか、旦那さんが古本屋さんだとか、荒野さんの名前と妹さんの
名前のことなど、初めて知ることだらけだった。

また、同じ小説家だったお父様の話や、ツイッターでよく登場する
猫ちゃんたちのお話など、家族に対する愛情もたくさん感じられる

エッセイ。

 

小説とのギャップが大きい穏やかな日々

 

小説は結構ドロドロしているというか、闇や影を感じる雰囲気の
ものが多いけど、荒野さんご自身の生活は、肩肘張らず、
猫と戯れ、美味しいものを食べて、穏やかに生活されているなぁと。

たいていは松太郎とつぶ子はベッドの上でくっついて寝ている。
私もその横に寝転がり、二匹のふわふわの毛並みに顔をくっつけたり、平和このうえない寝息に耳を澄ませたりする。君たちはいいねえ仕事がなくて、と呟く。
それだけのことだが、それができない日常というものは、考えられない。

本書エッセイはこの引用文最後の一行そのものがたくさん

詰まった1冊だと思う。
それは荒野さんの小説の世界とは正反対の穏やかな暮らしなのだ。

エッセイならではの発見が出来、やっぱり読んで良かったな。
そして、日々流れてくる荒野さんのツイッターも彼女の

何気ない一部だと思うと、今以上にツイッターの方も楽しめそうな予感です。